ひきこもり10年生のリスタート

ひきこもり歴10年が送る人生改革実験

【一緒に変わらないか?】人生詰んでるひきこもりは何に取り組むべきか具体的行動を考えてみた。

 俺がひきこもりになって10年以上たってしまった。今まで何度も変わろうとしたけど、持ち前の意志の弱さのせいで、行動に移すことすらできなかった。

 そんな俺が今、少しずつ努力するようになってきている。本当は去年から頑張ってみたがやっぱりダメで、今年からまたやり直そうとしている。やり直す時に、「ひきこもりが取り組めることって何か?」を真面目に考えてみた。この記事は、そこで思いついたアイデアをまとめて、ひきこもりの人達にの参考になればと思い書いたものだ。

 あらかじめ言っておくが、これは「ひきこもりが社会復帰するための方法論」ではない。対象にとしているのは「長期間のひきこもりで社会復帰が難しく、何をしていいか分からないのでゴミみたいな生活を続けている人」なので、当てはまらない人には読む価値がないかもしれない。

まず働くことから考えを変える

 ひきこもりの話になると必ず「働くこと」がメインテーマになる。「ハロワに行けばなんとかなる」とか「本気出せばバイトぐらいできるだろ」みたいな意見が飛び交う。もちろんそれはごもっともではあるが、長期のひきこもりにとって現実的ではない。職歴がなく歳をとっているので仕事がない、体力がないから体が持たない、どうやって人と会話するかも忘れた、外に出るのも怖い。そんな人達に「早く働け、甘えるな」なんて言ったところで何も変わらない。

 なのでまずは「働くことを諦める」ことからスタートするべきだと思っている。働くことを意識すればするほど、現実に絶望し、行動力が失われ、何もやりたくなくなる。だから、ゼロベースにして「じゃああなたは何ができそうなの」と、現実的な小さな努力を見つけることが重要なのではないだろうか。

「悪いひきこもり」から「良いひきこもり」へ

 多くのひきこもりの日常生活をあげてみよう。まず不規則な時間に起きる、そしてご飯を食べる、ネットやゲームやテレビで時間を潰す、寝る。以上だ。俺も10年間こんな生活を続けていた。周りから見たら異常な生活だが、快適な時間はあっという間に過ぎるので、本人は何も気づかないのだ。俺はこういったひきこもりのことを、「悪いひきこもり」と呼んでいる。

 そんな悪いひきこもりが取り組むべきことは「自分の生活のひどさを自覚して、”良いひきこもり”を目指すこと」だ。「良いひきこもり」とは、楽しいことを制限して、少しでも自分を成長させようと向上心を持って努力しているひきこもりだ。難しく聞こえるかもしれないが、やることは簡単だ。「好きなゲームの時間を30分削って代わりに筋トレをする」のようなことをどれだけ増やせるか、ということだ。「努力すること」を体に覚えさせなければならない。

 もちろん、良いひきこもりになったところで、所詮はひきこもりだし、社会復帰するのは厳しいだろう。ただ近づくことは可能だと思っている。階段は一段づつ登っていくしかないのだ。一気に10段も登れるような一発逆転などない。

具体的な行動

 ここからが本題だ。じゃあ何をすればいいのか?という疑問について、具体的な行動を提示したいと思う。条件として「ひきこもりでも取り組めそうなこと」「普段やってなさそうなこと」「取り組めばひきこもりにとってプラスになりそうなこと」を重視した。ちなみに今から書くことは、経験談も含まれているが、基本は仮説だ。俺も今、変わろうと努力している最中なので、「こうしたらいいんじゃないか」という考えを書いている。

 ほとんどが初歩的な内容なのだが、実際やっている人は少ないだろうから、ぜひ良さそうなものをいくつかピックアップして取り組んでみてほしい。

大まかに4つのくくりを作ってみた

  1. 家庭への貢献
  2. 自分磨き
  3. スキルアップ
  4. 生産的活動

1 家庭への貢献

 まず一番簡単で誰でもできる事といえば家庭内での仕事だ。外で働かないなら家庭内で貢献すればいい。世の中には家事をやるだけで許されている専業主婦がいるのに、ひきこもりがそれで許されないのはおかしい。親の負担を減らせる上に、外に出る必要がないことが、ひきこもりにとても相性が良い

・家事

 家庭内の貢献といえば家事だ。体力的にも精神的にも楽だし、 掃除、洗濯、食器洗いなんかは覚えた日からすぐできる。できる人は料理、買い物なんかもしたらいいだろう。また、モノの整理や収納、普段は手を付けない場所の掃除など、めんどくさい作業を買って出るのも素晴らしい。

 実際、俺も1年前から家事をやり始めたが、そこまで苦痛もなく続けられているし、親の負担もかなり減らせられた。計算してみたら、今までに250時間以上(週に6時間ほど)家事に費やしていたので、それだけ親の負担を減らせたということだ。本当に簡単なんなのでやってみてほしい。

・出費の削減

 働かないで収入に貢献できないのならば、支出で貢献すればいい。

 まず最初に思いつくのが光熱費の削減だ。ググってみればコンセントを抜くとか、冷蔵庫を整理するとか、光熱費の減らし方がたくさん出てくるので調べてみてほしい。つけっぱなしになってる電気を消したり、水道の使い方を減らすとか、意識的に日常生活を送るだけでも、だいぶ削れるだろう。

 2つ目は節約だ。できるだけ安いものを買ったり、ものを無駄遣いせず再利用するとか、売れそうなものはメルカリで売ったり、これもやれることはたくさんありそうだ。 

 これらのことを本気で取り組めば、家庭にもよるが月に数万円とか削減できるのではないだろうか。自分の力で支出を削減したのならば、それはもはや同じ金額の収入を稼いでるようなものだろう。

・その他

他にも何かないか考えてみたが、「情報収集」なんかはどうだろうか。親は基本的に忙しい。ひきこもりニートは基本暇な上に、大体ネットをして過ごしているので、検索能力が高い。ならば親が知りたい情報を代わりに調べることで役に立てるのではないか。

 結局、家庭内の貢献は「親が困ってることの手助け」がテーマだ。そこをベースに考えてみるとアイデアが浮かんでくる。まあ、親が一番困っていることは「子供がひきこもり」なことなのだが、それは考えないことにしよう。

 

2 自分磨き

 ひきこもりの社会復帰が難しい一つの要因として、身体的なハンデが大きいことが挙げられる。具体的には、体力がないので仕事が続かない、見た目にコンプレックスがあるので人前に出たくない、コミュニケーションが苦手、などだ。なので、ここでは身体的な向上に焦点を当ててみる。

・運動・筋トレ

 ひきこもりならば誰しもがやろうとしては挫折した経験があるだろう「運動」。個人的には、運動がひきこもりにとって最も価値のある取り組みだと思っていて、これが多くの問題を同時に解決する特効薬になるのだ。

 具体的には

  • 健康的になる
  • 身体機能の向上
  • 体型の改善
  • メンタル面の改善

が期待できる。

 健康的になり体力がつく、見た目が良くなりコンプレックスが減ると自信がつく、やる気がみなぎってくる。将来仕事をするためにも体力は付けておかないといけないだろう。ひきこもりに足りないところをまとめて解決してくれるのが運動なのだ。

 しかし、問題はどうやって継続するかということだ。俺も筋トレを始めてみたが、三日坊主になった経験がある。解決策の一つは楽な運動から始めてみることだ。俺は散歩をするようにしたのだが、これが見事にハマって1年ほど続いている。ただ散歩したところで大した運動にならないので、効果も薄い。なので少しづつ負荷が大きい運動に変えていこうと思っている。

ウォーキングでもランニングでも筋トレでも何でも良いので、自分に合う運動を探して継続させよう。

・美容

 ひきこもりはだいたい見た目がキモい(偏見)。醜い体型、不潔な髪や肌、死人のような表情。人前に出ることがないので、手入れもおろそかになり、見た目がどんどん悪化する。それがコンプレックスになり、人を避けようとさらにひきこもりが加速し、負のループに陥る。俺も人と関わりたくない最大の理由がこれだ。醜い見た目を笑われるんだろうなと思うと、外にも出たくない。「わかるわかる」と思ってる人も多いのではないだろうか。だからこそ美容に取り組むことは重要なのだ。

具体的には

  • 体型の改善
  • 清潔になる
  • 顔面の改善

などだ。

 体型の改善はさっきの項目とかぶるが、運動することで効果が得られる。顔や体がスリムになり、見た目の改善に大きく貢献する。

 また、清潔であることはとても重要だ。たとえ顔がブサイクだったとしても清潔であれば嫌がられることはないが、不潔な人は本当に嫌われる。毛の処理や肌の改善、体臭の改善、風呂にちゃんと入るなど取り組めることはたくさんある。

 一番多いコンプレックスは顔面に関するものだろう。正直、顔は生まれつきの要素が大きすぎるのだが、改善することは可能だ。思いつくところでは、髪型やまゆ毛を整える、表情筋を鍛えるとかだろうか。女性ならば化粧を練習すれば、大きな効果が得られるだろう。

 美容は「意識の高い女性」よりも「俺らのような人」が取り組むべきことなのだ。

・体内時計の改善

 ひきこもりで規則正しく生活してる人などいるのだろうか。と言いたくなるぐらい、不規則の生活はひきこもりあるあるだ。俺も体内時計がぐちゃぐちゃで、寝る時間が毎日のようにずれていっていた。1年近く治そうと頑張ってだいぶマシになってきているが、それでもいまだに夜型に戻ったりすることがある。治すには長期間かかるので、できるだけ早く取り組もう。

 コツとしては、毎日ちゃんと同じ時間に無理矢理にでも起きる、起きたら日光を浴びる、寝る前にコーヒーは避けるなど。無理に治そうとすると寝不足で辛くなるので、きつくなってきたら思う存分寝たりしてもかまわない。時間をかけてゆっくり改善しなければいけないものなのだ。

・病気の治療

 何かしらの病気を持っているならば、その治療に専念するのもいいだろう。病院に行くのは躊躇してしまうかもしれないが、病気を治せばQOLが大きく改善する。

 精神的な病気、体の一部がずっと痛む、体調が悪いとか、誰だって体に不具合を抱えているだろう。俺も親知らずをずっと放置していたせいで、虫歯になってしまっている。他にも鼻詰まりがひどかったり、腰痛持ちだったりボロボロだ。

 ひきこもりなら治療する時間をたっぷり取れるし、社会人のように仕事を休んで迷惑をかけることもない。あとは行く勇気だけなのだ。健康になることは大きな喜びになり、精神的にも大きな恩恵がもたらされるだろう。

・発声とコミュニケーション

 最近気づいたのだが、親と話していると、言葉が出てこない時がある。しゃべりながら、文章を構築することができなくなっているのだ。さらに声も出しにくくなっていて、長文を読もうとすると息が続かない。人と会話しなくなると、頭も声も話し方を忘れてしまう。社会に出たら会話は絶対必要になるので、今のうちからトレーニングしておいたほうがいい。

 発声の練習は簡単だ。トレーニング方法を調べてそれを一人でやっていけば良くなるだろう。

 問題はコミュニケーションの方だ。まず会話する相手がいないので練習ができない。なので、まずは一人で喋り続ける練習するのがいいと思う。ラジオを収録しているような感覚で、ひたすら喋り続けてみる。練習していくうちに詰まらずに喋れるようになったら、それは成長している証拠だ。

 そして問題の実践なのだが、いろいろ考えてみた結果、ネットで友達を探して会話するのが一番いい気がする。俺はネットで知り合ったゲーム友達がいるのだが、彼らと喋りながらゲームをすればそれだけで練習になると思う。俺は聞き専(喋らず聞くだけ)なので今のところは会話できていないのだが、やろうと思えばできるだろう。

 

3 スキルアップ

 スキルアップもひきこもりが取り組めることの一つだ。今の時代、ネットさえあれば独学でもだいたいのことは学べるし、時間をたっぷり使うことができるひきこもりはスキルアップに有利なのだ。

 内容については、社会に出て役に立つスキルである必要はないと思っている。実際に仕事に繋がるようなスキルは、長年の努力を必要とする高度なものばかりだからだ。そんな遠いレベルを目指してやっていたら、モチベーションも上がらないし続かない。だから自分が興味がある分野で、勉強しがいがありそうなものを何個か選んでやってみたらいいと思う。

具体的なスキルアップは思いついたものだと

  • 学問(英語や数学、歴史のような学校で習う教科)
  • 資格の勉強
  • プログラミング
  • 制作スキル(ライティング、絵、DIYなど) 

など、いくらでもある。

 ただ「ゲームが好きだからゲームを練習してうまくなる」みたいなのはやめたほうがいい。それはただの娯楽になる可能性が高いからだ。それをやるんだったら、「プログラミングを勉強して自分でゲームを作る」とか「プロゲーマーのプレイを分析して資料を作る」のような、普段やらないことに取り組むべきだ。

 ちなみに、俺のおすすめは「プログラミング」と「英語」だ。

 まずプログラミングを勧める理由は、パソコンを使って勉強できること、独学できる教材がネットに豊富にあること、プログラマーの需要は増え続けるだろうからワンチャン仕事につながるかも、といったところだ。

 英語を勧める理由は、勉強すれば確実に能力が上がること、有益な情報はだいたい英語で得られるから、だ。どんなジャンルにおいても、最も有益な情報は英語で書かれている。俺も調べ物をしていると詰まる時があるのだが、英語で検索してみると解決することがよくある。将来何をするにしても、英語を扱えることが有利に働くことは間違いない。

 

4 生産的活動

 さて、スキルを獲得できたなら、次はアウトプットしよう。自分が学んだものや、出来上がった作品をどんどん公開するべきだ。

  • ブログを書く
  • SNSにあげる
  • 動画を作ってアップ
  • プログラミングを勉強してサイトを作る

など、とにかく消費者から生産者にまわるのだ

 消費することは気楽で楽しいので、好きなことばかりやって過ごしていると「消費過剰」になってしまう。ひきこもりなんかは典型的な消費過剰人間だろう。インプットも大切だとは思うが、アウトプットも同時にしていかなければならない。

 さらにアウトプットすることは、人との交流にもつながる。人にほめてもらえてモチベーションが上がったり、知り合いができたり、コミュニケーションがとれたり、今までしたことない経験ができるかもしれない。時には傷つく言葉も投げつけられるかもしれないが、どうせ俺たちは社会の負け組なのだから、「こういう経験も悪くない」と笑い飛ばせばいいのさ!

成果が出る必要はない

 さて、長々と書いてきたが、自分にもできそうなものが見つかっただろうか?こんな小さなことは、一般人からすれば努力とは呼ばないかもしれない。でも、俺たちひきこもりはこういうところから始めていかないといけないし、小さなことであっても確実に成長につながるのだ。

 社会に出て評価されるのは、相対的な能力の高さだ。つまりどんだけ努力しても、他人より優秀じゃなければ社会では通用しない。英単語100個覚えたって、それを社会は褒めてくれない。だけど、ひきこもりのようなハンデを背負った社会的弱者が、一般人と張り合うのは相当厳しい。そこを目指してしまうとモチベーションも続かないし、「俺なんか努力しても無駄だから努力しない」という思考になってしまう。

 だから重要なのは、なんでもいいから行動してみるということなのだ。成果が出る必要はない。他人より優れてなくても良い。努力することにどれだけ時間を使えたか、どれだけ成長できたかで、自分を褒めよう。競う相手は「他人」ではなく「昨日の自分」なのだ。成長を繰り返していけば、一般人として社会に出られる日が、きっと来ると俺は思っている。だから今すぐ行動しよう!真っ暗な未来に光を灯せるのは自分だけだぞ!

一緒に変わりませんか?

 みなさんの参考になることはあっただろうか?この記事を読んで頑張ってみようと思える人が一人でも増えれば嬉しい。もし変わりたいと思ってるなら、俺と一緒に変わろう。

 俺はまだ努力をし始めたばかりで、途中で挫折してしまうかもしれないけど、それでも「変わりたい」と思う気持ちは本物だ。

 お互いに切磋琢磨し会える仲間がほしいので、もし同じ意志を持ってる人がいたら、ぜひコメント欄などで教えてほしい。

 最後まで読んでいただきありがとうございました!